ニューダンガンロンパV3 エンディング到達後雑感

2017年1月21日
雑記

ようやくストーリーの最後まで辿り着きました。
今までになく致命的で重大なネタバレを含んでるので格納します。
開く時はご注意くださいませ。

 
 
 
 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
・ていうかどう評価すりゃいいんだよこれ。

・「何だこれ」って思わせるのが狙いなんだとしたら完全にやられた。それは間違いない。

・ストレートな酷評を先回りして全て自ら言っちゃってるのがずるいよなぁ。つまり確信犯的に陳腐な作りにしたのかしら。

・それでも敢えてまとめるなら、「これだけの豪華キャストに再集結していただいておいて、こんな使い古されたしょうもない仕掛けを、盛大に無駄に時間使って描いたもんだなぁ」って感じかしら。たぶんこういう意見が出ることも計算通りなんじゃないかとは思うんだけど。

・「誤った記憶の植え付け」とか「世界自体が作り物」ってのはシリーズのお約束だし、他作品の前例を見るなら「登場人物はみんな虚構でした」なんてのも珍しくない話で、「この世界と物語そのものが見世物だったんだよ」ってオチもそんなに目新しいわけではない。もっとも、目新しくないこと自体が悪いわけではない。問題はそれらの材料をどう料理するかって話だ。

・「カレーは誰にでも美味く作れる料理」ってのはよく言われるジョークだけど、まさに「不味いカレー」なんだよな今作。前述の「この手の物語で使いやすい題材」だけでなく、キャストも、舞台も、キャラクターも、システムも、あらゆる素材が良質だった。そして『ダンガンロンパ』という鍋に入れて調理したら、どうやったって美味くなるはずだったのだ。まさにカレーを作るようなもの。しかし、現実に食卓に出てきたのは不味いカレーだった。

・たぶんカレーが不味くなる原因と同じで、「入れちゃいけないものをわざわざ入れたから」なんだよなきっと……賛否という大きい区分だけでなく、否の中にも人によって様々な見解があると思うんだけど、個人的に不味いと感じたのは「基本原則を守らないトリック作り」と「安易なメタフィクション要素」だった。特に前者。

・6章に至るまでにも「うーん」って眉間に皺寄せたくなるトリックはいくつもあったけど、最後の最後で隠し通路の後出しはさすがに酷いでしょ……そもそも白銀に砲丸で殴り殺せるほどの腕力があったのかって疑問も残るんだけど。何か細かいところまでしっかり考えてない感じがするんだよね。「そういうもんなんだよ」で押し切ろうとしてるというか……「結局は全部虚構だから細かいことああだこうだ言っても仕方ないんだよ」ってオチに向けてわざと手を抜いてたのではというのは邪推が過ぎるだろうか……

・終盤のメタフィクションの描き方だけはどうにもしっくり来なかった。「作内世界の『外の世界』」とは言ってるけどあそこまでやったらもう殆ど純粋なメタでしょう。いやまぁ「ここはフィクションの世界でした」オチとメタフィクション要素は縁が深いからそっちの方向に持っていくこと自体は良いと思うし、「現実の方を否定してやる」って言ったまでは良かった。操作しないのが正解というのもよく考えた。でも、だったら、理論武装もそうしろよと。変な話だけど、そのメタ要素によって作内に引き込んどいて、理論武装で突如通常のゲームに戻ってしまったから、逆に冷めてしまった感があった。結局この作品はどこに着地しようとしてるんだ?という感じに。あそこまでやったんならもう「ゲームは全無視、読み進めるだけでエンディング」で良かったと思う。というかそうして欲しかった。

・あと純粋に冗長。あんなにクルクルとキャラを回して煽り続けることなかったでしょ。歴代のキャラも「フィクション」だったんだよって印象付けるためなのかもしれんけど、加減ってものを考えてくれ(;´д`)

・これは個人的な好みの問題なんだけど、「現実を否定する」って言うなら「現実を超越する」ってかたちに進んでほしかった。結局は「現実の人間たちの心を動かした」って展開を経て「めでたしめでたし」みたいになってるけど、結局はそれって「視聴者」の意見によって物語を動かされてるのに変わりはなくて、希望だ絶望だって言ってる時と実質は何も変わらないんだよな。「おぞましい『現実の人間たち』」の持つ「無責任な傍観者」のスタンスは崩せてないと思う。それってテーマに対して答えを出せたことになるんだろうか。他作品で昔あった「現実世界を完全に切り離して虚構世界に現実性を与える」みたいなオチを期待してたんだが、結局は「外に出て行こう」だからなぁ……そうなるとむしろこの最終章は何だったのってなる。

・5章までで張られてきた伏線についても全て製作側が自らの手で「嘘」「無意味」ってレッテル貼っちゃってるし……そこに「やっぱり白銀の嘘でした」って更なる嘘を重ねてこられたとしたってもはや何が本当で何が嘘かもわからないから、真面目に考える意味を感じられないのが残念。あれだけ死ね死ねって忌み嫌ってた王馬についても嫌悪感も何もかもが吹っ飛んじゃったんだよなぁ……

・つまり結局のところ「嘘」がテーマだったわけだけど、テーマの使い方が突拍子も無さすぎて総評に困る。

・「何が本当で何が嘘かは明示しないからどうとでも解釈して好き勝手に二次創作やってくれ」ってことなのか。

・そもそもにあの世界の登場人物がどういう存在だったのかを明かされないまま終わったってのもスッキリしないんだよな。現実の人間がVRで精神だけ投影してるのか、現実の人間のデータをモデルに作られたキャラクターなのか、何らかのSF的な方法で現実の人間を仮想空間の存在へと変換してるのか……途中までは「初めはフィクションでやってたものがどんどん過激になっていき、ついには実在の人間を用いて『現実化したフィクション』をやるようになった」みたいな話をしてたのに、エピローグで「やっぱり仮想空間でした」みたいな感じの演出をしちゃってるし……

・仮想空間であるなら、登場人物が「どんな存在」であるのかってのは物語を振り返る上で非常に重要なのに、そこをボヤかしたまま話が終わっちゃってるから、振り返るに振り返れない。例えばあのデスゲームで死んだ者は実際にはどうなったの?ってことすらわからないままだ。

・VR体験と仮定した場合、新世界プログラムみたいに植物状態になるのか、コロシアイシミュレータのようにフィードバックして本体も死ぬのか、特に何事もなかったように本体はゲームを終了させるだけなのか。また、ゲーム上のデータに変換されてるというSFだと仮定した場合でも、ゲーム内で死んだ後は現実に生存状態で再生されるのか、ゲーム内で死んだら「存在としての死」が確定してそのまま戻ってこられなくなるのか。

・前項の何が重大な問題かって、「『外の平和で優しい世界』ではこのフィクションで希望だ絶望だを見て楽しんでる」と言ってるが、もしもその「外の世界」で暮らす「現実の人間」がこのコロシアイで「実際に死ぬ」のだとしたら、それって全く「平和で優しい世界」じゃないんだよねってこと。6章後半で何度も糾弾されてた「フィクションの生死をショー感覚で楽しんでる」って話とは違って来て、「実在する人間の生死を娯楽として眺める」という文化を有した普通に狂った世界なんだよなぁ。そこまで含めての皮肉なのかもしれんけど、提示された情報が足りなすぎてそもそも真相を確定できないからモヤモヤする。

・これが「モデルのいるキャラクター」で、回想シーン(?)で応募していた彼らはあくまでコロシアイに使われるキャラの「モデル」に過ぎず、作内で動いてたキャラクターたちはまさに「AIで動くキャラクターそのもの」だったってオチなら、逆に上手いストーリーだとは思う。「実在人物がモデルなのにデスゲームやらせるなんて悪趣味だ!」みたいな叫びは現実(我々のいるリアル現実の方)でもたまに聞く話だし、「まぁキャラクターだからいいじゃない」って考え方に対してフィクションのキャラクターたちがどう考えるのか……みたいなお題にもなる。「実在人物をモデルにしたキャラクターが現実に出てきてしまったらどうなるの?」というifで締めくくってるのも面白いし。

・どうとでも解釈してくれってことは勝手にそう解釈しときゃ良いのかな。だったら「面白かった」と評価できるね!

・ってわけにもいかないのか(;´д`) 何というか、細かいところが行き届いてなくて惜しいんだよなぁ。

・紅鮭団クリアするとその辺ハッキリしたりするのかな? だとしたら自分の不手際だが……

・確信持てるほどじゃないんだけど、デスゲーム作品ブームをぶった斬ったって側面もあるのかもしれないとは思った。従来に比べて殺害や処刑の方法が全体的にエグかったこととかも含めて、凄惨なデスゲームマンセーの世の中にアンチテーゼを投げかけたのだろうか。いわゆる「お前が言うな」に見えるけど、ダンロンはデスゲームブームの火付け役の一部ではあったと思うし、1作目は今思い返しても現在のデスゲーム作品とは一線を画していた。「デスゲーム物の緊張感と恐ろしさは出しつつ、ポップな要素を上手く混ぜて、残酷さをブラックユーモアでボヤけさせよう」ってコンセプトがあったとはどこかで聞いたことがある。まさにその通りだったのではないかな……2もわりかしその路線を引き継いでいたと思うし。別のデスゲーム物からダンロンに来た人は、ダンロンが「残酷さが緩くて物足りない」と非難するなんて話もたまに聞くけど、完結編と銘打った今作でその「緩さ」を敢えてぶっちぎったのは、「これが面白いと思うのかい?じゃあオマエラには付き合ってらんないな!あばよ!」って店じまい宣言だったのか……考えすぎかな。

・良いとも悪いともハッキリ言えない変な感じが残っちゃったけど、プレーしたこと自体が失敗だとは思ってないのは幸いなこと。シリーズをずっと追ってきた身なので完結まで見届けたいとは思ってたし、作内でも言ってた通り、確かにダンロンらしい去り際なのかもしれない。無理に続けることもないと思うしね(これも少し作内でファンへのアンチテーゼっぽく書かれてたけど)……個人的には2で終わっててくれた方がスッキリしてたけども(;´д`)

・でも3で終わるよりは良かったかもしれない。あっちの方が積み重ねを台無しにしてしまった感があったから……w

・とにもかくにも、絶対値としては十分に楽しませてもらいましたと思いますダンガンロンパV3。あとは入間美兎が不人気になってないことを祈って暮らしていくだけです、はい……